■ 抄録・要旨
| 水道管の内面が老朽化した際、その影響が水質に現れるとすると、水質分析を利用して管内面の状況を推定できる可能性がある。本研究では、水道水中の懸濁物の構成元素が配水管内面の状況を反映しているかを調べるため、配水管の管種、使用年数と懸濁態元素の濃度との関係性を解析した。茨城県日立市における水道管ネットワークを対象とし、まず、採水地点間における懸濁態元素濃度の上昇の特性を把握した。次いで、各採取地点間の各元素の懸濁態濃度の差の値を用いて主成分分析を行なった。その結果、寄与率は第1主成分が43%、第2主成分が36%であり、第2主成分までの累積寄与率は79%であった。主成分得点の分布を見ると、管種毎に近い位置に集まって配置する傾向が見られた。
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